Wisdom.135

‟中世との決別” 

- 高山正實 -

 

 

「バルセロナ・パビリオン」は、ヨーロッパ的近代との決別なんです。ヨーロッパの建築というのは、いくらインターナショナル・スタイルといってもやっぱり形があった。それをミース(・ファン・デル・ローエ)が一気に飛び越えてしまうんです。

インターナショナル・スタイルというのは形だけ見ればとても新しく、過去の歴史的な装飾などは使ってないんですが、それでも根本的には中世から繋がっている。装飾の有無はおくとして、結局あくまで「モノ」なんです。それをミースが「バルセロナ・パビリオン」でばっと飛び超えてしまう。このころのスケッチをずっと見て行くと、「バルセロナ・パビリオン」のところで完全に過去と決別したな、というのが良くわかりますよ。

 

 

 

 

 

高山正實(たかやま まさみ、1933~)

建築家。シカゴ建築研究所代表。イリノイ工科大学(IIT)でミース・ファン・デル・ローエに師事。シカゴSOM建築事務所で主任建築家として「シアーズ・タワー」などの超高層建築の設計に携わる。IITやハーバード大学で教鞭を執る。主な論文に「建築に現れた西欧及び日本文化の価値観」など、主な著書に『ミース・ファン・デル・ローエ真理を求めて』など。

 

インターナショナル・スタイル:国際様式。世界中どこでも共通のデザインスタイル。