Wisdom.116

‟都市風景は甘いコピーであふれている” 

建築家たちの流行を組織事務所が取り入れ、さらに遅れて建設会社の設計部が模倣する。このようにして、街には一昔前の建築家の作品の甘いコピーがたくさん立ち上がってきた。

 

大まかに言えば、現在東京に立っている高層オフィス・ビルはすべてミース(・ファン・デル・ローエ)のエピゴーネン(亜流)といってよい。ミースのデザインはアメリカでSOMをはじめとする組織事務所がコピーし、増殖させ、さらにそれを日本のゼネコンが移植して、今の東京の都市風景ができあがっている。

 

 

森川嘉一郎(もりかわきいちろう、1971~)

明治大学国際日本学部准教授。早稲田大学大学院修了(建築学)。2004年ヴェネツィア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館コミッショナーとして「おたく:人格=空間=都市」展を制作(日本SF大会星雲賞受賞)。08年より現職。明治大学において「東京国際マンガ図書館」(仮称)の開設準備、およびその先行施設である米沢嘉博記念図書館の運営に関わる。主な著作に『趣都の誕生』など。